資産を守る相続対策 適切な相続対策による資産継承・事業継承をサポート

ホーム » 相続セカンドオピニオンサービス紹介 » 相続事例集 » 10. やっぱり不安な自筆証書遺言

相続事例集

10. やっぱり不安な自筆証書遺言

歯科医の秋山先生(仮名)には子供がおらず、両親も既に他界しているため、自身が亡くなった際の相続人は、奥様とご兄弟になります。
秋山先生はその事実を知っていたため、最愛の奥様が困ることのないように生前に自筆で遺言を書いていました。 その秋山先生がお亡くなりになり、ご相談に来られたのですが、「奥様も遺言書があるから大丈夫」と思われていたようで、安心した様子でした。

系図

果たして本当に効力がある遺言書なのか不安はありましたが、まずは家庭裁判所で、検認の手続をしなくてはいけません。奥様に同行し内容を確認しましたが、その時何ともいえない違和感がありました。直筆で書かれており、日付や捺印、誰に遺したいかなど、自筆証書遺言の要件は満たしています。しかし次の文章を見た時に何かおかしいと思いました。

「全ての財産を妻、君枝に譲与する」と書かれていたのです。一般的に使用されるのは「相続させる」や「遺贈する」という文言です。自分の死によって財産を移転する(譲る)という意味では伝わりますが、不動産登記や銀行手続きでこの遺言書が使えるのか、正直不安になりました。

実際にその不安は的中し、登記を依頼した司法書士にも、銀行の担当者にも「この遺言書は使用できない可能性がある」と告げられました。仮にこの遺言書が使用できない場合だと、奥様を含めて兄弟及び甥・姪の13人から署名押印が必要になります。そうなったことを想像し絶望的になりましたが、辞書で「譲与」の意味を調べた際に希望の光が見えました。

譲与の解釈としては、「あらかじめ譲渡・配分の方法を定めておいて、自己が死亡した時に効力が生じるようにしておくこと」のようです。この解釈を伝えたところ、登記も銀行手続きもなんとか無事終わらせることができました。(この解釈のおかげかはわかりませんが…)

後ほど奥様から聞いた話によると、秋山先生は、大変な読書家で、言葉の意味を大事にする方だったようです。そのような性格だったこともあり、敢えて使い慣れない「譲与」という言葉を使ったのではないかということでした。

今回のケースは、こだわりのある想いを遺言に遺されたケースになります。遺された家族に想いを伝える意味では、自筆証書遺言は優れているかもしれません。しかし、一方でスムーズな相続ができないようでは、遺言書の意味が無くなってしまいます。

自筆証書遺言は無効になりやすく、
トラブルが生じやすい
ということがあります。

今回、秋山先生の自筆証書遺言を使った相続手続きをお手伝いして、改めてその難しさを感じました。

やはり着実に、故人の想いを実現するには、生前にチェックを受ける公正証書遺言が確実です。 今回のケースを通し、今後も公正証書遺言の作成を勧めていく思いを強くしました。

また、法的な遺言書であっても、自筆証書遺言は使えないという金融機関も出てきていますので、注意が必要です。下書きは自筆証書で、完成版は公正証書で作ることが必要です。

公正証書遺言を遺してもらえばよかった…
  • スムーズに相続できないのなら、遺言書の意味が無い。
  • 自筆証書遺言が使えない金融機関もある。
  • 生前にチェックできる公正証書遺言が確実。
遺言とは
遺言とは、死後のために自分の所有する財産等をどのように処分するかを書面に書き残す、故人の意思表示のこと。遺言の方式は、民法に厳格に規定され、それに方式に従っていない遺言は全て無効となります。遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続を巡る争いを防止しようとすることに主たる目的があります。
遺言の方式には、数種類ありますが、代表的なのは、次の2つです。自筆証書遺言、公正証書遺言です。法律で形式が定められています。
自筆証書遺言
遺言者が、紙に自ら遺言の内容の全文を書き、かつ日付、氏名を書いて、署名の下に押印することにより作成する遺言です。
公正証書遺言
遺言者が、公証人の面前で遺言の内容を口授し、それに基づいて、公証人が遺言者の真意を正確に文章にまとめ、公正証書遺言として作成するものです。
自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
自筆証書遺言 公正証書遺言
メリット
いつでも、どこでも作成できます。
デメリット
証人(立会人)が必要です。
メリット
誰にも知られずに作成できます。
デメリット
内容が公証人・証人に知られます。

公証人・証人は、内容を確認します。公証人には法律上の 守秘義務が課されています。証人は、遺言者の依頼によりその場に立ち会います。遺言の趣旨に照らし、民法上の秘密保持義務を負うことは明らかですが、人選が大切です。

メリット
費用がほとんどかかりません。
デメリット
費用がかかります。
デメリット
形式の不備や、不明確な内容に なりがちで、後日トラブルが起きる可能性があります。

方式不備で無効になってしまうケースが多く有ります。

メリット
内容が明確で、証拠力が高く安全確実で、無効になる恐れがほとんどありません。
デメリット
偽造・隠匿などの心配があります。
メリット
偽造・紛失の心配がありません。

原本が必ず公証役場に保管されます。

デメリット
裁判所の検認手続きが必要です。

裁判所を通じて、相続人全員に呼出状を発送した上、遺言書を家庭裁判所に持参し、その遺言書の検認手続を経なければなりません。

メリット
死後に家庭裁判所で検認の手続を経る必要がありません。相続開始後、速やかに遺言の内容を実現することができます。
デメリット
全文自署しなければなりません。

字が書けなくなった場合、利用することができません。

メリット
字が書けない場合でも公証人に依頼すれば遺言をすることができます。
  メリット
公証役場に出向くことが困難な場合でも、公証人が遺言者の自宅又は病院等へ出張して遺言書を作成することが可能です。

相続でお悩みの方は、相続セカンドオピニオンサービスをご利用ください。

お問い合わせ・ご相談お申し込み
※ご利用頂くには、当サイトへの会員登録が必要です。
※本サービスは現時点では、東京都・大阪府のみのサービスとなります。
サービスの詳しい内容はこちら → サービス紹介

会員ログイン

メールアドレス

パスワード
ログインする