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相続事例集

5. 保証人となっていた父

開業医の伊藤先生(仮名)は歯科診療所を経営していました。開業後順調に経営を行っていきましたが、10年が経った頃、伊藤先生のお父様が亡くなりました。医院の設備を購入する際に、ある程度はお父様にも協力してもらい、顧問の税理士の先生のアドバイスも有ったことから、一部の設備はお父様の名義にしていました。

伊藤先生としては既に設備に対する借入は償還しているものと思い、相続の手続きをするため財産を確認していました。

すると、他にもいくつかのお父様の保証債務があったのです。
金額にして5億円です。お父様は、「息子が開業医だから資金力がある」という話をして、いくつかの借入を行っていたそうです。医院の設備はいくつかお父様の名義のものがあり、伊藤先生はどうしたらよいか分からないということで相談に来られました。

系図

診療所の経営者の場合、ご本人様ではなくご両親等の銀行からの借入が、多額になる場合があります。銀行からすると、息子が開業医であるならお金を持っているだろうと思い込んでいるのです。

相続時には、医院の取引銀行に借入状況や保証人になっているかどうかを問い合せして、現状を正確に把握しておく事が大切です。
財産分けをしてしまうと、債務を含めて全てを相続するという意思表示になってしまいます。また少しでも返済をしてしまうと相続放棄も行えなくなります。

相続時に、取引銀行に借入状況や保証人になっているかどうか確認し、現状を正確に把握を。把握せずに、財産分け・返済すると、相続放棄できなくなる。

保証債務の場合には、相続時点では確定した債務ではありません。後日、債務者が支払不能になった時点で保証人に履行を求められる状況になり、負の財産となります。

相続時に故人が保証していることが判明していれば、その事態となった時には相続人の連帯債務となりますので、保証債務の事実を相続人全てに明らかにしておくことが大切です。保証債務については、いつ表面化するか、わからない時限爆弾のようなものです。

特に、生前から自分が保証人になっている事実があるのかないのか、ご家族に伝えておく事をお勧めします。

相続の相談で、意外に多いのが、故人の負債問題です。
負債、つまり借金です。これは遺産を上回る額であれば、相続放棄の手続を取ることになりますが〝保証人になっている場合〟つまり保証債務については相続発生時に明確でなく、注意が必要です。

債務保証は時限爆弾。気をつけて!

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